
買収した事業にのれん償却と買収資金コストを負わせると評価はどう変わるか
買収した子会社は、のれん償却と買収資金のコストを載せなければ永久に好調に見え、載せれば責任者が自分で決めていない買収価格の責任まで負う。償却額は回収の物差しにならないため、運営成績と買収の成否を別の損益で測り、宛先も分ける。

買収した子会社は、のれん償却と買収資金のコストを載せなければ永久に好調に見え、載せれば責任者が自分で決めていない買収価格の責任まで負う。償却額は回収の物差しにならないため、運営成績と買収の成否を別の損益で測り、宛先も分ける。

対象期間中、残った売り手経営陣は指標に向かって動き、指標を下げる統合は止まりやすい。買収価格の溝をアーンアウトで埋めようとしているCFOが、署名前に確かめておくべき会計と経営の論点を整理する。

統合か併存かが決まらないのは、問いが「システムを一つにするか」になっているからだ。伝票の原本、勘定と組織の意味、連結への提出物、締めの期日という四つのレイヤーのうち、どれをそろえるかから考える。

買収した会社の月次が遅いとき、本社から人を送るのは最後の手である。取得原価の配分は企業結合日以後1年以内で、内部統制の評価範囲からの除外は初年度の逃げ道にすぎず、翌期の扱いは基準に書かれていない。統合の時計は最初から動いており、人を替える判断は締まってからでよい。

シナジーを価格に上乗せすると、高値づかみにつながる。コストと収益のシナジーを分け、実現確度と立ち上がり時期で割り引き、PMIのタスクと数字に落とす。売り手に先払いしてよいシナジーは原則ゼロと考える。

減損は事故ではなく、買収前提の崩れが数字に表れたものだ。のれん残高ではなく前提の劣化を四半期で見る指標を持ちたい方に向けて、償却による平準化に頼らない管理への切り替え方を順を追って示す。

全部見ようとするDDは、結局何も見ていないのと同じになる。論点を先に絞り、発見事項を価格・契約・PMIの3つに振り分けて処理したい買い手側の財務担当に向けて、確かめる数字と進め方を整理する。

買収が完了しても、シナジーは自然には生まれない。統合直後に財務が何から手をつけるべきか迷っている方に向けて、急がないが放置もしないシステム統合の扱いを含め、100日の段取りを整理する。