
IFRSに移行するか、のれんの償却が消える利益でなく誰と比べられたいかで決める
のれんの償却が営業利益を圧迫すると、IFRSへの移行が利益を増やす手段に見える。増えるのは将来の償却の分だけで、事業が傷めば減損で一度に返すことになる。判断の軸は、海外の同業と同じ物差しで比べられる必要があるかである。

のれんの償却が営業利益を圧迫すると、IFRSへの移行が利益を増やす手段に見える。増えるのは将来の償却の分だけで、事業が傷めば減損で一度に返すことになる。判断の軸は、海外の同業と同じ物差しで比べられる必要があるかである。

買収後の最初の決算で、見ていなかった償却費が利益を押し下げる。原因はのれんではなく、PPAで識別した無形資産にあることが多い。価格を決める前に配分の見込みを置き、税引後の償却負担で計画を組む方法をまとめる。

買収した子会社は、のれん償却と買収資金のコストを載せなければ永久に好調に見え、載せれば責任者が自分で決めていない買収価格の責任まで負う。償却額は回収の物差しにならないため、運営成績と買収の成否を別の損益で測り、宛先も分ける。

期中に買収した会社をいつから連結に入れるかは、みなし取得日の選び方で変わる。前後どちらの決算日に置くかで当期利益と翌期の比較可能性がどう動くか、会計上許される選択肢を整理する。連結の注5が根拠だ。

対象期間中、残った売り手経営陣は指標に向かって動き、指標を下げる統合は止まりやすい。買収価格の溝をアーンアウトで埋めようとしているCFOが、署名前に確かめておくべき会計と経営の論点を整理する。

統合か併存かが決まらないのは、問いが「システムを一つにするか」になっているからだ。伝票の原本、勘定と組織の意味、連結への提出物、締めの期日という四つのレイヤーのうち、どれをそろえるかから考える。

価格の議論が進んでから資金の制約を持ち込むと、降りられなくなる。株式交付は下限に届かなければ成立せず、現金で埋める逃げ道もない。買収の資金を意向表明の前に整えたいCFO向けに、三つの原資の切れ目を整理する。

事業の売却や分社を検討しているが、買い手に見せる事業別損益が本社費を配賦しただけの数字になっている会社に向けて、カーブアウトの意味と手法、単独損益の組み直し方、売り手に残るコストの測り方を示す。

価格が競り上がって降りられないのは、降りる人が交渉の中にいるからだ。基礎価値と、実現確度で割り引いた自社固有シナジーに分けて上限を置き、超えたら降ろす権限を誰に与えるかを検討開始時に定めておく。

買収した会社の月次が遅いとき、本社から人を送るのは最後の手である。取得原価の配分は企業結合日以後1年以内で、内部統制の評価範囲からの除外は初年度の逃げ道にすぎず、翌期の扱いは基準に書かれていない。統合の時計は最初から動いており、人を替える判断は締まってからでよい。