
原価差異の期末処理、売上原価への賦課と在庫への配賦で工場の成績はどう変わるか
不利な原価差異を期末在庫に配賦すれば当期の利益は上がり、その分は翌期の売上原価に回る。売上原価に落とせば当期の工場の成績が悪く見える。期末に議論しないよう、処理の選び方を差異の中身ごとに先に決めておく。

不利な原価差異を期末在庫に配賦すれば当期の利益は上がり、その分は翌期の売上原価に回る。売上原価に落とせば当期の工場の成績が悪く見える。期末に議論しないよう、処理の選び方を差異の中身ごとに先に決めておく。

公開範囲を機密性で切ると、現場が動かせる数字まで見えなくなる。管理可能性で切れば、残すべき数字が残る。ただし社内の報告単位は事業セグメントの判定材料になり、未公表の全社数値を配ることには別の注意がいる。

実際原価の確定を待つ限り、月次決算は遅れる。原価差異は原則として当年度の売上原価に賦課される。問うべきは精度でなく、どの差異なら概算のまま月次を締めてよいかという範囲だ。その判断方法を示す。

購買の報告額と粗利の改善額が合わないのは、購買が盛っているからではない。値下げの効果は在庫に入り、標準単価の改訂で基準に吸収され、数量の増減と混ざる。三つの出口を数字で切り分ける方法を示す。

外注のほうが安いという試算は、たいてい単価表の読み違いから出ている。比べるべきは、止めれば実際に消える現金支出と外注で新たに出る支出の差だけだ。空いた人と設備の使い道が決まるまで削減額は計上しない。

実地棚卸の差異を雑損で吸収していると、来年も同じ差異が出る。原価性の判定も原因が特定できなければ下せない。経理が処理してよいのは原因が付いた差異だけとし、原因を工程に書かせる運用を示す。

設計段階の原価は月次の原価計算からは出てこない。だから原価企画は改善活動ではなく、目標原価の合意と未達時の判断を開発ゲートの決議事項に置く設計の問題になる。財務の関わり方を具体的に示す。

標準原価の年1回改訂は慣行で、制度の要請ではない。材料価格や賃率に重大な変化が生じたときは、期中でも改訂する。ただし動かすのは価格標準だけだ。歩留や標準時間まで期中に動かすと、差異で能率を測れなくなる。