創業家が株式の全部を持つ会社に、財務責任者として入る。着任して一か月、事業別の損益を作り直し、部門別の固定費の配賦を整え、月次の経営会議に持っていく。社長は資料を最後まで見ている。そして、それで結局いくら残るの、と聞く。 別の日、資金繰りの改善案を提示すると、社長は個人の口座から一時的に入れておくと言う。この二つの会話が、この会社で管理会計が機能しない理由のすべてを表している。

POINT
オーナー企業でCFOが管理会計から着手すると、ほぼ確実に空回りする。理由は精度の問題ではない。数字の前提そのものが、個人と法人で混ざっているからである。 本社の土地が社長個人の名義で、会社が支払っている賃料が相場と一致しているかどうか誰も検証していない。役員貸付金が長年据え置かれている。社長の個人保証が全ての借入に付いていて、会社の信用力と個人の信用力が分離していない。この状態で事業別の採算を精緻にしても、出てきた数字を根拠に何かを決めることができない。 賃料が変われば採算が変わり、保証が外れれば調達条件が変わり、同族間の取引条件が変われば利益が動く。動く前提の上に置いた分析は、意思決定の材料にならない。先に片付けるのは、個人保証、同族間取引、個人名義資産の三つである。 そしてこの三つは、管理会計と違って、片付いたかどうかが外形的に確認できる。登記簿に載り、契約書に残り、金融機関の記録に残る。外形で確認できる仕事から入るのが、着任直後のCFOにとっては正しい順序である。

精緻な数字を作る前に、前提が動くかどうかを確認する

新任のCFOが最初に手を付けたくなるのは、たいてい情報の整備である。事業別の損益、部門別の配賦、資金繰り表の精緻化。どれも正しい仕事だが、オーナー企業では順序が違う。

理由は単純で、オーナー企業の損益計算書には、経済実態と一致していない項目が最初から複数入っているためである。代表的なものは四つある。役員報酬の水準、同族への支払(賃料、外注費、保険料)、個人名義資産の使用に伴う支払、そして貸付・借入の利息である。これらは、社長が決めれば明日にでも変えられる。

第三者に会社を説明する場面を思い浮かべると、この構造の意味が分かる。金融機関が与信を判断するとき、買い手が企業価値を算定するとき、監査法人が関連当事者取引を確認するとき、彼らが最初にやるのはこれらの項目を経済実態に引き直す作業である。 つまり、外部の誰もが最初にやる調整を、会社の中では誰もやっていない。

CFOの最初の仕事は、この調整を社内で先に済ませることになる。難しいのは技術ではなく、社長に「今の数字は第三者から見ればこう見えます」と伝える場面をつくることである。 ここで管理会計の資料を持っていくと、話が精度の議論にすり替わる。持っていくべきは、金融機関や買い手が実際に行う調整の一覧である(新任CFOの最初の90日|着任直後に制度を作り替えてはいけない)。

着任直後の入り方で、その後の一年が決まる。同じ努力を、外形で確認できる仕事に置くかどうかの違いである。
BEFORE
管理会計から入る
事業別損益と配賦の精緻化に数か月。だが賃料・役員報酬・保証が動けば結論も動くため、数字を根拠に何も決められない
AFTER
境界の整理から入る
保証・同族間取引・個人名義資産の三つを台帳にする。片付いたかどうかが登記・契約・金融機関の記録で外形的に確認できる
外形で確認できる仕事は、社長にも銀行にも進捗として見える。

個人保証は、頼む交渉ではなく説明を求める手続きである

個人保証を外す話を、CFOが「お願い」として持ち込むと、まず動かない。動かすための足場は、すでに制度の側に用意されている。

経営者保証に関するガイドラインは、平成25年12月に公表され、平成26年2月1日から適用されている。日本商工会議所と全国銀行協会が共同で設置した経営者保証に関するガイドライン研究会が策定したもので、法的拘束力はないが、銀行、信用金庫、信用保証協会、日本政策金融公庫など幅広い金融機関で運用されている。保証を求めない融資の検討にあたって示されている要件は三つで、法人と経営者の関係の明確な区分・分離、財務基盤の強化、そして財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示による経営の透明性の確保である。

一つ目の要件を読み直してほしい。個人と法人の区分・分離は、保証を外すための前提条件そのものである。 同族間取引や個人名義資産の整理は、内部管理を良くするための一般論ではなく、調達条件に直結する具体的な作業として位置づけられている。

さらに、令和4年12月23日には、経済産業省・金融庁・財務省が経営者保証改革プログラムを策定している。スタートアップ・創業、民間金融機関による融資、信用保証付融資、中小企業のガバナンスの四分野に重点を置いたもので、このなかで金融庁は監督指針を改正し、金融機関が経営者保証を求める場合には、どの部分が十分でないために保証契約が必要なのか、どのような改善を図れば保証契約の変更・解除の可能性が高まるかを経営者に説明し、その結果等を記録することを求めている。

ここがCFOの入口になる。外してくださいと頼むのではなく、なぜ必要なのかの説明と、解除の条件を書面で受け取る。 説明を求めるのは借り手の当然の行為であり、金融機関の側にはそれを説明し記録する枠組みがある。受け取った説明は、そのまま改善計画の項目一覧になる。三年かけて何をすれば外れるのかが、交渉の一回目で文書になる。

同族間取引は、取引先マスタに現れない

境界の整理で最も手間がかかるのが、同族間の取引の洗い出しである。難しいのは、これらが取引先マスタの中で「その他の取引先」として並んでいるからである。

上場企業やその準備段階にある会社では、企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」に基づいて、役員や主要株主およびその近親者との取引を把握する枠組みがある。非上場のオーナー企業には、この枠組みが無い。 そのため、把握の起点を別に置く必要がある。

実務で効く起点は三つある。一つ目が、登記簿である。 社長および近親者が役員になっている法人を洗い出し、その法人名で自社の取引データを検索する。二つ目が、不動産の登記事項である。 事業所として使っている物件の所有者を確認する。三つ目が、支払データの受取人名である。 個人名義の口座への継続的な支払は、金額の大小にかかわらず一覧にする。

洗い出した取引について、CFOが確認すべきことは二つに絞られる。取引条件が第三者との取引と同等かどうか、そしてその根拠が文書として残っているかどうかである。 賃料であれば近隣の相場、外注費であれば他社の見積り、貸付金であれば利率の設定根拠。根拠が残っていない取引は、税務調査でも、金融機関との交渉でも、将来の株式の移転でも、同じ場所で引っかかる(関連当事者取引をどう洗い出すか|役員と同族の取引は取引先マスタに現れない)。

そして役員貸付金には、別の重さがある。貸付金が資産に計上されたまま何年も動かない状態は、金融機関から見れば、会社の資金が社外に出て戻っていないことを意味する。 決算書の一行にすぎないように見えて、与信判断では大きく効く。解消の方法は、返済、役員報酬からの相殺、債権放棄のいずれかになるが、どれも税務上の取扱いが異なるため、着手する前に税理士と設計を詰める必要がある。放置という選択肢だけが、確実に事態を悪くする。

事業が個人名義の資産の上に乗っている

本社の土地建物が社長個人の名義であること自体は、珍しいことでも悪いことでもない。問題は、その状態が意図的に設計されたものではなく、単に昔からそうだった、という場合である。

確認すべきは三点になる。第一に、賃貸借契約が書面で存在し、賃料が相場と整合しているか。第二に、その物件に金融機関の担保が設定されているか、設定されている場合の債務者は誰か。第三に、社長に相続が発生したときに、その物件が誰に渡ることになっているか。

三点目が、実務では最も重い。遺言も、株式の承継方針も定まっていない状態で、事業の基盤となる不動産が個人名義のまま置かれている会社は、少なくない。 相続が発生した時点で、事業に不可欠な資産が複数の相続人の共有になり、その後の意思決定に全員の合意が要るようになる。CFOが設計すべきなのは、この状態を回避する道筋であって、精緻な事業別損益ではない。

同じ性質の論点が、生命保険にもある。オーナー企業では、契約者が法人、被保険者が社長、受取人が法人という形の保険が、複数本入っていることが多い。目的が明確なものと、勧められるままに入ったものが混ざっている。 目的は通常、借入の返済原資か、株式の買取資金か、退職金の原資のいずれかである。どの目的にも紐づかない契約は、解約返戻金の推移を確認したうえで整理の対象になる(企業保険をどこまで掛けるか|リスク移転と自家保有の線引きをCFOが決める)。

資本政策の議論は、境界が片付くまで前に進まない

境界の整理を先にやるべき最大の理由は、その先にある意思決定が、全部この整理の上に乗っているからである。

株式の承継を考えるなら、まず株価の算定が要る。株価の算定は、役員報酬の水準、同族への支払、個人名義資産の賃料が動けば変わる。外部からの資本を入れるなら、投資家は必ず関連当事者取引の一覧を求める。金融機関との条件交渉なら、保証の解除がそのまま論点になる。どの道を選んでも、入口は同じ場所にある。

そして、承継については時間の制約がある。事業承継の局面は、保証を外す最大の機会でもある。 事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則は令和元年12月に公表され、令和2年4月から運用が始まっている。この特則は、原則として前経営者と後継者の双方から二重には保証を求めないこととしている。 承継のタイミングで整理しなければ、後継者は自分が関与していない過去の借入について、保証を引き受けることになる。

税制の側にも期限がある。法人版事業承継税制の特例措置について、令和8年度税制改正により特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日まで延長された。しかし、特例措置による贈与・相続の適用期限は令和9年12月31日のまま据え置かれている。 計画を出せる期間は延びたが、実行できる期間は延びていない。計画の提出期限と実行期限の間は、およそ三か月しかない。計画を出してから中身を考える、という進め方が成立しない構造になっている。

つまり、承継を視野に入れているオーナー企業では、境界の整理は「いずれやる」課題ではなく、逆算すると今年の課題になっている。 株価の算定も、保証の解除の交渉も、同族間取引の是正も、着手から結果が出るまでにそれぞれ数か月を要する。CFOが着任初年度に管理会計へ全力を投じた会社は、この逆算に間に合わない(資本配分の設計図|成長投資・株主還元・現預金のバランスをどう決めるか)。

現場では
売上高94億円の設備工事会社で、創業家が株式の100%を保有していた。二代目の社長は63歳、後継者となる長男が営業本部長として在籍している。CFOは大手企業の経理部長経験者で、着任してすぐ事業部別の損益管理の構築に着手した。三か月で工事案件別の採算表が完成したが、経営会議での議論は変わらなかった。 社長は採算表の数字より、月末の資金の着地を気にしていたためである。CFOが方針を変えたのは、金融機関との面談に同席した時だった。担当者が持参した資料には、決算書の数字を調整した独自の試算が並んでいた。役員報酬を業界水準に引き直し、社長個人が所有する本社土地の賃料を近隣相場に置き換え、役員貸付金2億3千万円を資産から控除した後の数字である。 銀行はその数字で会社を見ていたが、社内では誰もその数字を作っていなかった。CFOは翌週から、三つの台帳を作り始めている。一つ目が保証・担保の台帳で、借入ごとに保証人、担保物件、その所有者、そして保証の解除条件を列にした。ここで初めて、全12本の借入すべてに社長の個人保証が付いており、うち3本は完済間近であることが分かった。二つ目が同族間取引の台帳である。登記簿から社長と近親者が役員を務める法人を4社洗い出し、自社の支払データを照合したところ、うち2社と継続的な取引があった。いずれも契約書は存在したが、価格の根拠を示す資料は無かった。三つ目が個人名義資産の台帳で、事業所として使用している5拠点のうち2拠点が社長個人の所有、1拠点が社長の実弟の所有だった。実弟の所有する拠点については、賃貸借契約書そのものが存在していなかった。 CFOはこの三つの台帳を持って、社長と週次で一時間の時間を取っている。議題は毎回一つに絞り、結論は「何をいつまでに誰がやるか」だけを記録した。金融機関には、保証を求める理由と、どのような改善を図れば解除の可能性が高まるかについて説明を求め、面談の内容を書面で受け取っている。受け取った文書には、法人と経営者の資金の混在の解消、二期連続の安定した利益、そして試算表の月次提出という三点が挙げられていた。 これがそのまま改善計画の項目になった。一年後、完済間近だった3本のうち2本について保証が外れている。役員貸付金は、役員報酬の改定と生命保険の解約返戻金を組み合わせて、二年で解消する計画が動き出した。CFOはこう言っている。管理会計は捨てていない。ただ、あの三つの台帳を先に作らなければ、採算表は永久に議論の材料にならなかった、と。

決めるのは三つ

第一に、着任直後は管理会計より境界の整理を先に置く。 オーナー企業の損益計算書には、役員報酬の水準、同族への支払、個人名義資産の使用に伴う支払、貸付・借入の利息という、社長が決めれば明日にでも変わる項目が最初から入っている。金融機関も買い手も監査法人も、まずこれらを経済実態に引き直してから会社を見る。外部の誰もが最初にやる調整を、社内で誰もやっていない状態を先に埋める。 保証・同族間取引・個人名義資産の三つは、片付いたかどうかが登記・契約・金融機関の記録で外形的に確認できる。

第二に、個人保証は説明を求める手続きから始める。 経営者保証に関するガイドラインは平成25年12月に公表され平成26年2月1日から適用されており、示されている要件は法人と経営者の関係の明確な区分・分離、財務基盤の強化、財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示である。さらに令和4年12月23日の経営者保証改革プログラムを受けて金融庁が監督指針を改正し、金融機関には保証を求める理由と、どのような改善を図れば変更・解除の可能性が高まるかを説明し記録することが求められている。外してくださいと頼むのではなく、説明と解除条件を書面で受け取る。 受け取った文書が、そのまま改善計画の項目一覧になる。

第三に、承継から逆算して期限を先に置く。 事業承継時に焦点を当てた特則は令和元年12月に公表され令和2年4月から運用されており、原則として前経営者と後継者の双方から二重には保証を求めないこととしている。承継は保証を外す最大の機会である。加えて、法人版事業承継税制の特例措置について、令和8年度税制改正で特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日まで延長されたが、特例措置による贈与・相続の適用期限は令和9年12月31日のまま据え置かれている。 計画の提出から実行までおよそ三か月しかなく、計画を出してから中身を考える進め方は成立しない。株価の算定も保証の解除交渉も同族間取引の是正も、それぞれ数か月を要する。

まとめ
オーナー企業に財務責任者として入り、管理会計から着手するとほぼ確実に空回りする。原因は分析の精度ではなく、数字の前提そのものが個人と法人で混ざっていることにある。オーナー企業の損益計算書には、役員報酬の水準、同族への支払(賃料・外注費・保険料)、個人名義資産の使用に伴う支払、貸付・借入の利息という、社長が決めれば明日にでも変えられる項目が最初から入っている。金融機関が与信を判断するとき、買い手が企業価値を算定するとき、監査法人が関連当事者取引を確認するとき、外部の誰もが最初に行うのはこれらを経済実態に引き直す作業であり、その調整を社内では誰もやっていないという構造になっている。したがってCFOが先に片付けるのは、個人保証、同族間取引、個人名義資産の三つであり、この三つは管理会計と違って、片付いたかどうかが登記簿・契約書・金融機関の記録という外形で確認できる。個人保証については、頼む交渉として持ち込むと動かない。経営者保証に関するガイドラインは平成25年12月に公表され平成26年2月1日から適用されており、日本商工会議所と全国銀行協会が共同で設置した研究会が策定したもので、法的拘束力はないが銀行・信用金庫・信用保証協会・日本政策金融公庫など幅広い金融機関で運用されている。保証を求めない融資の検討にあたって示されている要件は、法人と経営者の関係の明確な区分・分離、財務基盤の強化、財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示による経営の透明性の確保の三つである。一つ目の要件が示すとおり、個人と法人の区分・分離は内部管理の一般論ではなく、調達条件に直結する前提条件そのものである。さらに令和4年12月23日、経済産業省・金融庁・財務省は経営者保証改革プログラムを策定し、スタートアップ・創業、民間金融機関による融資、信用保証付融資、中小企業のガバナンスの四分野に重点を置いた。このなかで金融庁は監督指針を改正し、金融機関が経営者保証を求める場合には、どの部分が十分でないために保証契約が必要なのか、どのような改善を図れば変更・解除の可能性が高まるかを経営者に説明し、その結果等を記録することを求めている。CFOの入口はここにあり、外してくださいと頼むのではなく説明と解除条件を書面で受け取れば、それがそのまま改善計画の項目一覧になる。同族間取引の洗い出しが難しいのは、それらが取引先マスタの中で普通の取引先として並んでいるためである。上場企業やその準備段階にある会社には企業会計基準第11号「関連当事者の開示に関する会計基準」に基づく把握の枠組みがあるが、非上場のオーナー企業には無い。実務で効く起点は三つで、登記簿から社長および近親者が役員を務める法人を洗い出して取引データを検索すること、事業所として使っている物件の登記事項から所有者を確認すること、支払データの受取人名から個人名義口座への継続的な支払を一覧にすることである。洗い出した取引について確認すべきは、取引条件が第三者との取引と同等かどうかと、その根拠が文書として残っているかの二点に絞られる。役員貸付金が長年動かない状態は、金融機関から見れば会社の資金が社外に出て戻っていないことを意味し、与信判断で大きく効く。解消の方法は返済、役員報酬からの相殺、債権放棄のいずれかで、それぞれ税務上の取扱いが異なるため着手前に税理士と設計を詰める必要があるが、放置という選択肢だけが確実に事態を悪くする。個人名義資産については、賃貸借契約が書面で存在し賃料が相場と整合しているか、担保設定の有無と債務者は誰か、相続が発生したときにその物件が誰に渡るかの三点を確認する。三点目が最も重く、事業に不可欠な不動産が複数の相続人の共有になれば、以後の意思決定に全員の合意が要る。生命保険も同じ性質で、借入の返済原資・株式の買取資金・退職金の原資のいずれの目的にも紐づかない契約は整理の対象になる。境界の整理を先にやるべき最大の理由は、その先の意思決定が全部この整理の上に乗っているからである。株価の算定は役員報酬や同族への支払や賃料が動けば変わり、外部資本を入れるなら投資家は必ず関連当事者取引の一覧を求め、金融機関との条件交渉では保証の解除がそのまま論点になる。加えて時間の制約がある。事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則は令和元年12月に公表され令和2年4月から運用が始まっており、原則として前経営者と後継者の双方から二重には保証を求めないこととしている。法人版事業承継税制の特例措置については、令和8年度税制改正で特例承継計画の提出期限が令和9年9月30日まで延長された一方、特例措置による贈与・相続の適用期限は令和9年12月31日のまま据え置かれている。計画の提出期限と実行期限の間はおよそ三か月しかなく、計画を出してから中身を考える進め方は成立しない。承継を視野に入れているオーナー企業では、境界の整理はいずれやる課題ではなく、逆算すると今年の課題になっている。

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