情報システム部門が主導した机上訓練の報告書を読む。復旧目標時間、代替サイト、対策本部の招集経路、外部専門家の連絡先。よく書けている。書かれていないのは、止まっている二週間のあいだに経理が何をするかである。 決算を締めるのか、締めないのか。締めないなら何を止めて、いつまでなら止められるのか。訓練のシナリオは「復旧した」で終わっており、その先の話が誰の宿題にもなっていない。

止まったときに一番困るのは、判断の材料がないことではない。判断する人が決まっていないことである。 決算を落とす判断は経理部長にはできない。支払を止める判断も同じ。だが対策本部の議題は復旧に集中しているので、そこにこの論点が上がってくるまでに数日かかる。数日は、締めの日程では致命的である。

POINT
先に前提を一つ壊しておく。基幹システムが止まって決算が締まらないという事態を、制度の側は例外扱いしていない。 金融庁企画市場局「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の24-13は、金融商品取引法第24条第1項本文に規定する提出期限の延長承認について、「やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合」に該当する類型を列挙する。その第一に置かれているのが、「電力の供給が断たれた場合その他の理由により当該発行者の使用に係る電子計算機を稼動させることができないこと、又はサイバー攻撃等により財務諸表若しくは連結財務諸表を作成するために必要なデータを取得できないことによる債務未確定等を理由として、提出期限までに財務諸表又は連結財務諸表の作成が完了せず、又は監査報告書を受領できない場合」 である。電子計算機が動かないこと、データが取れないことが、そのまま条文の言葉として書かれている。だから論点は「延ばせるか」ではない。延ばせる。論点は、延ばせるものと延ばせないものの境界がどこにあり、その境界を停止の何日目までに確定させるかである。

延ばせる期限と、絶対に延ばせない期限

最初にやることは復旧の見積りではない。期限の仕分けである。 経理が抱えている外部期限は、性質が三つに分かれる。

延長の制度がある期限。有価証券報告書と半期報告書は、金融商品取引法第24条第1項本文の承認、すなわち開示府令第15条の2および第15条の2の2に定める承認申請で延ばせる。法人税の確定申告書は、法人税法第75条により、災害その他やむを得ない理由で決算が確定しないために提出期限までに提出できない場合、申請により延長できる。ただしこの延長には利子税が付く。 一方、国税通則法第11条による災害等を理由とする期限の延長には利子税がかからない。同じ「延ばす」でも、どちらの制度に乗るかで金額が変わる。消費税は別勘定になっていて、消費税法第45条の2の申告期限延長の特例は、法人税の申告期限の延長の特例の適用を受けている法人が「消費税申告期限延長届出書」を提出している場合に1か月だけ延ばせるものであり、令和3年3月31日以後に終了する事業年度から適用されている。平時に届出を出していない会社は、この1か月を使えない。

延長の制度がない期限。源泉所得税は、所得税法第183条第1項により、給与等の支払の際に徴収してその徴収の日の属する月の翌月10日までに納付する。社会保険料の納付期限は翌月末日である。賃金は、労働基準法第24条第2項により、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。システムが止まったことは、賃金の支払期日を動かす理由にならない。 取引先への支払も同じで、支払サイトは契約で決まっている。

期限そのものが動かないのに、判定の材料がシステムの中にある期限。適時開示がこれにあたる。東証の有価証券上場規程が求める開示は、決定または発生後速やかに行われる(適時開示の判断|「決まった」といつ言うかを事前ルールにする)。基幹システムの停止という事象自体の重要性判定にも、被害額の算定にも、止まっているシステムの中の数字が要る。

止まった初日にこの四象限へ全部の業務を落とす。落とし先が決まっていれば、対策本部で議論する必要がなくなる。
システムへの依存度
連結・注記・開示資料
依存度は高いが、承認申請で期限を動かせる。精度を落として作り、後追いで確定させる領域
給与・源泉・社会保険・支払
依存度が高く、期限も動かない。ここだけは平時に手作業の代替経路を作っておくしかない
管理会計・予算・分析
依存度は高いが期限は社内にしかない。止める判断を初日に出す
適時開示・取締役会・監査対応
紙と人で回せるが期限は動かない。止まった当日から動かす
外部期限を動かせるか
復旧を待ってよいのは左側だけ。右上をどう回すかが、平時に決めておく唯一の宿題である。

右上の象限に落ちる業務は多くない。給与の振込、源泉所得税と社会保険料の納付、取引先への支払、そして受取債権の入金消込のうち期日管理に関わる部分。この四つだけを、システムなしで一回転させる手順書を持っているかどうかで、停止の一週目の景色が変わる。

現実的な代替経路は決まっている。給与は前月と同額を仮払いし、復旧後に精算する。労働基準法が求めているのは一定の期日に賃金を支払うことであって、金額の完全性はその後に是正できる。源泉所得税と社会保険料は、直近月の納付額を基礎に概算で納付し、後で修正する。支払は、購買データが取れないので、前月の支払実績と契約から一覧を再構成する。いずれも「前月の実績」が起点になる。だから前月の支払一覧と給与一覧を、基幹システムの外に月次で退避させておく運用が、そのままBCPの中核になる。 バックアップの対象を「システムのデータ」で考えると、この視点が落ちる(SAP移行で旧システムの過去データをどうするか|移行年数と旧環境の維持費)。

再延長は「別の原因」でしか通らない

延長承認を制度として当てにするなら、ガイドラインの続きを読む必要がある。24-13の⑷は再延長についてこう書く。既に延長承認を受けている発行者から同一の有価証券報告書等について行われる再度の延長承認の申請は、「当該申請の原因となった事実が、既に受けている延長承認の申請の原因となった事実とは異なるものであり、かつ、おおむね⑴①から⑤までのいずれかに該当するとき」 に、やむを得ない理由に該当することに留意する、と。

同じ障害を理由に二度は延ばせない。 これが実務上いちばん効く。ランサムウェアの被害で一か月延ばし、復旧が想定より遅れたのでもう一か月、という運用は制度が想定していない。二度目に必要なのは、最初の申請とは別の原因である。

だから最初の申請で置く新たな期限の設定が、事実上の一発勝負になる。ガイドラインの⑶は、新たに承認する提出期限について、金融商品取引所または認可金融商品取引業協会および発行者の監査法人等とも連携し、延長承認を必要とする理由の発生時期、復旧可能性、発行者の事業規模、事案の複雑性などを考慮した上で、公益又は投資者保護のため必要かつ適当な期限を定めるとする。復旧可能性が明示的な考慮要素になっている以上、申請の時点で復旧の見通しを説明できなければならない。情報システム部門の復旧見込みが、そのまま開示の期限になる。 対策本部で「一週間で戻る見込みです」と言われた数字を、経理がそのまま申請書に書くと、後で誰も逃げられない。ここは平時に握っておく。復旧見込みは幅で出す、幅の下限ではなく上限を使う、という取り決めを、訓練の場で確認する。

「理由を証する書面」は、先に開示していないと作れない

もう一つ、順序を間違えると詰むところがある。

ガイドライン24-13の⑵は、開示府令第15条の2第2項第2号および第15条の2の2第3項第5号ならびに第17条の4第3項第5号に規定する「理由を証する書面」について、「例えば報道、適時開示等、延長承認を必要とする理由が発生したことが客観的に明らかとなるもので、提出期限の延長の必要性を判断するために必要な事項を明瞭に記載した書面であることを要する」 としている。

つまり、適時開示を先に打っていることが、延長申請の材料になる。 障害の事実を社外に出さないまま、期限の直前に延長申請を出すという段取りは成立しにくい。順序は、事象の把握、適時開示、そして延長承認の申請である。

加えて、財務局の側からも動く。24-13の⑸は、財務局が金融商品取引所等の規則に基づく開示等により虚偽記載などの情報を確認したときは、当該情報を開示した発行者に対して速やかに延長承認の申請の意向を確認することとし、延長承認の可否は法定の提出期限までに判断する必要があるため、可能な限り早期に申請の準備を行い、時間的余裕をもって申請するよう慫慂するとしている。期限の当日に判断が下りる制度ではない。

会社法側の時計は、金商法とは別に動いている

有価証券報告書を延ばせたとしても、定時株主総会は別の制約下にある。会社法第296条第1項は、定時株主総会を毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならないと定めるだけで、三か月という数字を置いていない。三か月を作っているのは会社法第124条第2項で、基準日株主が行使できる権利は、当該基準日から三箇月以内に行使するものに限られる。

したがって、決算日を基準日として定款に置いている会社が総会を三か月より後にずらすには、基準日を定め直して公告する手続が要る。基準日の変更は会社法第124条第3項により、当該基準日の二週間前までに公告しなければならない。この二週間を、障害の発生から逆算できるかどうかが分かれ目になる。 三月決算の会社が五月の連休明けに止まると、基準日変更の公告期限は既に過ぎている可能性がある。

計算書類の側も止まる。会社法第435条第2項は各事業年度に係る計算書類等の作成を求め、第436条は監査を、第438条第1項は定時株主総会への提出を求める。そして基幹システムが止まっている状態は、会計帳簿の作成が止まっている状態でもある。 第432条第1項が求める適時の会計帳簿の作成という要請に対して、停止期間中の取引をどう記録するかを決めておく必要がある。実務的な答えは単純で、停止期間中に発生した取引の証憑を紙で束ね、復旧後に日付順で入力する。そのための証憑受領の窓口と保管場所を、初日に決める(電子帳簿保存法スキャナ保存・電子取引の決算実務への落とし込み)。

手作業で回した二週間は、内部統制報告書に残る

見落とされやすいのがここである。停止期間中に代替経路で業務を回すということは、設計された統制が動いていない期間を自分で作るということでもある。

承認の電子ワークフローが止まれば、支払は誰かの口頭了解で実行される。三点照合が止まれば、請求書の妥当性は担当者の記憶で判断される。職務分掌はシステムの権限で担保されているので、手作業に落ちた瞬間に一人が全部を触れる状態になる。そして内部統制報告書は、期末日時点の有効性を評価するものだが、運用状況の評価は期中の一定期間を対象にする。 停止期間が評価対象期間に入っていれば、その期間の統制が運用されていなかったという事実は残る。

企業会計審議会が2023年4月7日に改訂し、2024年4月1日以後開始する事業年度から適用されている「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」は、電子記録について変更の痕跡が残り難い場合には内部統制の無効化が生じてもその発見が遅れることがある点への留意を求めている。手作業で回した期間は、まさに痕跡が残りにくい期間である。

不備としないための道具は代替統制だが、これは事後に作れない。「このシステム統制が止まったら、代わりにこの手続を、この証跡付きで実施する」という対応関係を、平時の統制文書に一列足しておく。 支払の実行なら二名連署の紙の起票、受入なら現物確認の記録、伝票入力なら復旧後の全件突合。列が一つ増えるだけだが、この列があるかどうかで、監査法人との会話が「不備の有無」から「代替統制の運用状況」に変わる(J-SOX財務報告内部統制:3点セットを形骸化させない更新運用の実務)。

監査側の事情も先に読んでおく。監査人は会計帳簿とシステムのログにアクセスできない期間、実証手続の一部を実施できない。停止が期末をまたぐと、実地棚卸の記録や受払データの検証が後ろ倒しになる。監査報告書を受領できないという状態は、会社の締めが遅れることだけでなく、監査手続が進まないことからも生じる。 延長申請の期限を置くときは、復旧後に監査人が要する日数を、会社の入力日数とは別に積む(監査法人の指摘が期末に集中する会社の共通点|論点を前倒しする四半期の使い方)。

現場では
連結売上高1,180億円の産業機械メーカーで、九月の第二週にランサムウェアの被害が出た。基幹システムは停止し、生産管理と会計の両方が使えなくなった。三月決算で、第2四半期の締めが目前だった。対策本部は初日に立ち上がったが、二日目までの議題は復旧と外部公表だけである。経理部長がCFOに持ち込んだのは三日目で、持ち込んだ内容は「締められません」ではなく、業務を四象限に落とした一枚だった。前年に机上訓練の報告書を読んだとき、経理の動きが書かれていないことに気づいて作っておいたものである。CFOがその場で出した判断は三つ。第一に、管理会計と予算の月次レポートを当月分は中止する。第二に、給与は前月同額を仮払いし、差額は復旧後に精算する。給与計算の担当が、前月の支給一覧をPDFで別サーバーに退避させる運用を続けていたので、振込データは手作業で再構成できた。第三に、支払は前月実績と契約書から一覧を再構成し、金額が確定しないものは契約上の下限で先に支払う。四日目に適時開示を出し、被害の概要と、財務諸表の作成に必要なデータの取得に支障が生じている旨を記載した。このときの開示文が、後の延長承認申請で「理由を証する書面」として使われることになる。 半期報告書の提出期限を巡っては、情報システム部門の復旧見込みが「三週間から六週間」だった。経理は上限の六週間を採り、さらに復旧後の入力とレビューに要する期間を積んで申請の期限を置いた。社内では「余裕を見すぎだ」という声が出たが、CFOは動かさなかった。 根拠は、企業内容等開示ガイドライン24-13の⑷が、再延長を「原因となった事実が異なるもの」に限っていることである。実際の復旧は五週間目で、入力の遅れが出たため、承認された期限のぎりぎりでの提出になった。下限の三週間で申請していたら、二度目の申請はできなかった。 決算が終わった後、CFOは机上訓練の設計そのものを変えている。復旧目標時間の議論に経理を同席させ、シナリオの終点を「復旧した」から「決算を提出した」に延ばした。訓練で新しく確認するようにしたのは二つ。前月の給与一覧と支払一覧が、基幹システムの外に取れる状態にあるか。そして、基準日変更の公告期限が障害発生日から何日後に来るか。経理部長はこう言っている。復旧の話は情報システムのものだが、期限の話は最初から経理のものだった。 前の年にそれを紙一枚にしていなかったら、四象限の判断は三日目ではなく十日目になっていた、と。

決めるのは三つ

第一に、外部期限を「延ばせる/延ばせない」で仕分けた一枚を、平時に作る。 有価証券報告書と半期報告書は金融商品取引法第24条第1項本文の承認申請で、法人税は法人税法第75条で(利子税が付く)、消費税は同法第45条の2の届出を出している場合に1か月だけ延ばせる。国税通則法第11条による災害等の延長には利子税がかからない。一方、源泉所得税の翌月10日(所得税法第183条第1項)、社会保険料の翌月末日、賃金の一定期日払い(労働基準法第24条第2項)は動かない。動かない側の業務だけを、システムなしで一回転させる手順書を持つ。 起点は前月実績なので、給与一覧と支払一覧を基幹システムの外へ月次で退避させる運用が要る。

第二に、復旧見込みを、上限で申請書に書く取り決めを事前に作る。 企業内容等開示ガイドライン24-13の⑷は、再延長を「原因となった事実が既に受けている延長承認の申請の原因となった事実とは異なるもの」である場合に絞る。同じ障害では二度延ばせない。⑶が新たな期限の設定にあたり復旧可能性を考慮要素に挙げている以上、申請時点の見通しが期限の根拠になる。幅で出た見込みの下限を採る運用は、二度目の申請という逃げ道がないことを見落としている。

第三に、適時開示を先に出す順序を工程に固定する。 ガイドライン24-13の⑵は「理由を証する書面」として報道や適時開示等を例示しており、外部に事実が出ていることが申請の前提になる。⑸により財務局から申請意向の確認が入る場合もあり、延長承認の可否は法定の提出期限までに判断される。期限の直前に持ち込む段取りでは間に合わない。

そのうえで、会社法側の時計を別に数える。定時株主総会に三か月の法定期限はないが(会社法第296条第1項)、基準日株主の権利行使は基準日から三箇月以内に限られる(同法第124条第2項)。基準日を動かすには二週間前までの公告が要る(同条第3項)。この二週間が、障害発生日から見て既に過ぎていないかを、初日に確認する。

まとめ
基幹システムの停止を想定した訓練がIT主導で行われても、決算と支払が止まった場合の経理の動き方は決まらない。訓練のシナリオが「復旧した」で終わるからである。制度の側は、この事態を例外扱いしていない。金融庁企画市場局「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」24-13の⑴①は、有価証券報告書等の提出期限の延長承認における「やむを得ない理由」の第一類型として、電力の供給が断たれた場合その他の理由により発行者の使用に係る電子計算機を稼動させることができないこと、又はサイバー攻撃等により財務諸表若しくは連結財務諸表を作成するために必要なデータを取得できないことによる債務未確定等を理由として、提出期限までに財務諸表等の作成が完了せず、又は監査報告書を受領できない場合を明記する。したがって論点は延ばせるかどうかではなく、延ばせるものと延ばせないものの境界を停止の何日目に確定できるかにある。延長の制度がある期限は、有価証券報告書・半期報告書(金融商品取引法第24条第1項本文の承認、開示府令第15条の2および第15条の2の2)、法人税の確定申告書(法人税法第75条、利子税を伴う。国税通則法第11条による災害等の延長には利子税が付かない)、消費税(消費税法第45条の2の特例で1か月、法人税の申告期限の延長の特例の適用と届出が前提、令和3年3月31日以後終了事業年度から適用)である。延長の制度がない期限は、源泉所得税の翌月10日(所得税法第183条第1項)、社会保険料の翌月末日、賃金の毎月1回以上・一定期日払い(労働基準法第24条第2項)、そして取引先への支払である。適時開示は期限が動かないうえ、判定の材料が止まったシステムの中にある。業務は、システム依存度と外部期限の可動性の二軸で四象限に落とす。復旧を待ってよいのは期限を動かせる側だけで、依存度が高く期限も動かない給与・源泉・社会保険・支払の四つについてのみ、手作業の代替経路を平時に用意する。代替経路の起点はいずれも前月実績になるため、給与一覧と支払一覧を基幹システムの外へ月次で退避させる運用がBCPの中核になる。延長承認を当てにするなら、ガイドライン24-13の⑷が再延長を「原因となった事実が、既に受けている延長承認の申請の原因となった事実とは異なるもの」である場合に限っている点を先に読む。同じ障害では二度延ばせない。⑶は新たに承認する提出期限の設定にあたり、金融商品取引所又は認可金融商品取引業協会および監査法人等とも連携し、理由の発生時期、復旧可能性、事業規模、事案の複雑性などを考慮するとしており、申請時点の復旧見通しがそのまま期限の根拠になる。復旧見込みは幅の上限を採る取り決めを訓練の場で確認しておく。順序も決まっている。⑵は「理由を証する書面」として報道、適時開示等、延長承認を必要とする理由が発生したことが客観的に明らかとなるものを例示しており、開示が先で申請が後になる。⑸により財務局が申請の意向を確認し早期の申請を慫慂する場合もあるが、可否の判断は法定の提出期限までに行われるため、期限の直前に持ち込む段取りは成立しない。会社法側の時計は別に動く。定時株主総会に三か月の法定期限はなく(会社法第296条第1項は「毎事業年度の終了後一定の時期」とのみ定める)、三か月を作っているのは基準日株主の権利行使を基準日から三箇月以内に限る同法第124条第2項である。基準日を動かすには同条第3項により二週間前までの公告が要り、この期限が障害発生日から見て既に過ぎていないかを初日に確認する必要がある。計算書類は会社法第435条第2項が作成を、第438条第1項が定時株主総会への提出を求め、停止期間中も第432条第1項の適時の会計帳簿の作成という要請は残るため、停止期間中の証憑を紙で束ねて復旧後に日付順で入力する窓口と保管場所を初日に決める。

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