申告期限の三週間前、顧問税理士から課税区分の修正リストが届く。項目数は120件。内訳は、会費が課税仕入れになっているもの、更地の駐車場代が課税になっているもの、海外のクラウド利用料が不課税で処理されているもの、そして用途区分が全部「共通」になっているもの。

経理課長は一日かけて直す。そして翌期、ほぼ同じリストが届く。

この繰り返しを「担当者が消費税を分かっていないから」で説明している会社は、来期も同じリストを受け取る。分かっていないのは事実かもしれないが、原因ではない。原因は、検出工程が申告作業に置かれていることである。 そして制度の側は、そこを検出工程として想定していない。

POINT
先に三つ確認しておく。第一に、用途区分の判定には期限がある。 消費税法基本通達11-2-20は、個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合の課税仕入れ等の区分について「課税仕入れを行った日又は課税貨物を引き取った日の状況により行うこととなる」としたうえで、その日に区分が明らかにされていない場合でも「その日の属する課税期間の末日までに、当該区分が明らかにされたときは、その明らかにされた区分によって」消費税法第30条第2項第1号の規定を適用して差し支えないとする。課税期間の末日が期限であり、申告作業の段階は制度の外にある。第二に、逃げ道が塞がれている。 同11-2-18は、個別対応方式では個々の課税仕入れ等について必ず三区分に分けなければならないとしたうえで「例えば、課税仕入れ等の中から課税資産の譲渡等にのみ要するものを抽出し、それ以外のものを全て課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして区分することは認められないのであるから留意する」と書いている。実務で最も広く行われている手抜きが、通達に名指しで否定されている。第三に、期中に自分で直せば加算税はかからない。 国税通則法第65条第1項は、修正申告書の提出または更正があったときに納付すべき税額の百分の十(更正があるべきことを予知してされたものでないときは百分の五)の過少申告加算税を課すとし、同条第2項は、期限内申告税額に相当する金額と五十万円とのいずれか多い金額を超える部分に百分の五を加算するとする。ところが同条第6項は、更正を予知してされたものでない修正申告が調査通知がある前に行われたものであるときは、第1項の規定を適用しないとしている。期中の自主修正はゼロ、調査通知後は5パーセント、更正予知後は10パーセント。検出の位置が、そのまま金額になる。

申告作業で見つかる時点で、制度上は遅い

順序を確認する。

消費税法第30条第1項は、課税標準額に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額等を控除するとし、同条第2項は、その課税期間における課税売上高が五億円を超えるとき、または課税売上割合が百分の九十五に満たないときに、控除する税額を第1号または第2号の方法により計算するとする。第1号が、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの、両者に共通して要するものに区分が明らかにされている場合の計算方法。第2号が、それ以外の場合に課税仕入れ等の税額の合計額に課税売上割合を乗じる方法である。条文自体には個別対応方式・一括比例配分方式という名称は出てこないが、実務でそう呼ばれているのが第1号と第2号だ。

この「区分が明らかにされている場合」という要件が、11-2-20の期限と結びつく。 課税仕入れを行った日の状況で判定するのが原則で、その日に明らかでなくとも、課税期間の末日までに明らかにされていればよい。裏を返せば、末日を越えて申告作業で初めて区分を決めるのは、通達が許した範囲の外である。

さらに第30条第5項が縛りを足す。第2項第2号の方法、すなわち一括比例配分方式で計算することとした事業者は、その課税期間の初日から同日以後二年を経過する日までの間に開始する各課税期間において当該方法を継続して適用した後の課税期間でなければ、第1号の方法に戻れない。「今期は面倒だから一括比例で」は、二年の選択になる。 単年度の判断のつもりで選んで、翌期に個別対応へ戻れず慌てる会社が実際にある。

「とりあえず全部共通」は、通達が名指しで禁じている

用途区分の実務で最も多い処理は、課税売上にのみ対応することが明白なものだけを抜き出し、残りを全部「共通」にするやり方だろう。作業は速く、税額は安全側に振れる。

これを、通達11-2-18が明示的に否定している。個々の課税仕入れ等について必ず三区分に分けなければならず、課のみを抽出して残りを全て共通とすることは認められない、と書いてある。

税額が安全側に振れるから問題ない、という理屈は通らない。「共通」に入れた費用のうち、本来は非課税売上にのみ対応するものが混じっていれば、課税売上割合の分だけ控除しすぎている。 たとえば社宅の維持費、有価証券の売却手数料、土地の売却時に不動産業者へ支払った手数料。これらは非のみ対応であり、共通に入れると控除が過大になる。安全側どころか、増額更正の対象になる。

そして調査でここを見るのは難しくない。共通対応の勘定内訳を出させ、非課税売上に紐づく費目が入っていないかを確認するだけである。

誤りは知識ではなく、入力時の選択肢で起きている

では、なぜ毎期同じ誤りが出るのか。

伝票を入力しているのは、多くの場合、その取引の性質を知らない人である。請求書に「業務委託料」と書かれていれば課税で入れる。「会費」と書かれていれば、迷いながら課税で入れる。判定に必要な情報は、請求書にも伝票の摘要欄にも書かれていない。

だから、入力者に判定させる設計をやめる。

消費税の誤りは、知識の量ではなく工程の配置で決まる。判定を入力の手前へ、検出を月次へ動かす。
STEP 1
入口の選択肢を絞る
取引先マスタ・勘定科目マスタ・支払依頼のフォームで、選べる税区分をあらかじめ限定する。家賃の支払先には課税を出さない。会費の科目には課税仕入れを出さない
STEP 2
例外の類型を名指しで拾う
誤りが集まるのは常に同じ十前後の類型。その類型に該当する取引だけを別ルートへ流し、判定した人の名前と根拠を伝票に残す
STEP 3
月次でサンプル抽出する
全件チェックは続かない。各類型から数件ずつ抜き、請求書と契約書まで遡って根拠を確認する。件数ではなく類型で抽出する
STEP 4
課税期間の末日までに用途区分を確定する
通達11-2-20の期限。ここを越えると、直す手段は修正申告しかなくなる。決算の中に確定の工程を置く
土台土台=自社で間違う類型の一覧を持つこと。「消費税を勉強する」では動かない。「うちが間違うのはこの十個」という組織の言葉に落として初めて、入力とチェックの設計に変換できる。
申告作業は集計工程であって、検出工程ではない。検出を月次に置けば、加算税もかからない。

入口を絞る、というのが第一段である。家賃を払う取引先マスタに課税の税区分を出さない。会費を計上する科目に課税仕入れを選ばせない。ここはシステム設定の話であり、教育の話ではない。教育で直そうとしている限り、担当者が代われば元に戻る。

間違うのは、いつも同じ十類型

自社の一覧を作る出発点として、誤りが集まる類型と根拠を並べておく。

類型正しい扱い根拠
同業者団体・組合の会費相手方が対価に該当しないとしているなら、支払側も課税仕入れに該当しない基本通達5-5-3、11-2-4
補助金・助成金の受入れ資産の譲渡等の対価に該当しない(不課税)基本通達5-2-15
補助金で購入した資産金銭の源泉を問わないので、課税仕入れとして控除できる基本通達11-2-8
損害賠償金原則は対価に該当しないが、無体財産権の侵害、明渡し遅滞、使用可能な棚卸資産の引渡しを伴うものは課税基本通達5-2-5
更地の駐車場地面の整備・フェンス・区画・建物の設置等をしていないときは土地の貸付けに含まれる(非課税)施行令第8条、基本通達6-1-5注1
一月未満の土地の貸付け非課税から除外され、課税施行令第8条
住宅の貸付け(社宅)契約において人の居住の用に供することが明らかな場合は非課税別表第二第十三号
給与か外注費か雇用契約またはこれに準ずる契約に基づくかで判定。不明なら代替性・指揮監督・危険負担・用具の供与で総合勘案法第2条第1項第12号、基本通達1-1-1
海外のクラウドサービス利用料事業者向け電気通信利用役務の提供に当たればリバースチャージ。内外判定は役務の提供を受ける者の本店所在地法第2条第1項第8号の3・第8号の4、第4条第3項第3号、第5条第1項
出張旅費・通勤手当通常必要と認められる範囲は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が可能施行規則第15条の4第2号・第3号、基本通達11-6-4・11-6-5

一行目が、実は最も厄介である。会費の扱いは、自社だけでは決められない。 基本通達5-5-3は、同業者団体・組合等がその構成員から受ける会費等について、明白な対価関係があるかどうかで判定するとしたうえで、判定が困難なものについて、継続して団体側が対価に該当しないものとし、かつ支払う事業者側も課税仕入れに該当しないこととしている場合には、これを認めるとする。同通達の注3は、この扱いを適用する場合に団体がその旨を構成員に通知するものとするとしており、11-2-4は、団体側が対価に該当しないとしているときは支払側の課税仕入れに該当しないと明記する。団体からの通知を保管していない会社は、根拠を持たずに処理していることになる。

三行目も誤りが多い。補助金の受入れは不課税だが、その補助金で買った資産の課税仕入れは控除できる。基本通達11-2-8は、課税仕入れに該当するかどうかは資産の譲受け等のために支出した金銭の源泉を問わないとし、保険金・補助金・損害賠償金等を充てた場合であっても課税仕入れに該当するときは第30条の規定が適用されると書いている。「補助金でもらったものだから控除できない」という誤解で、控除を自ら落としている会社がある。

九行目は、判定を間違えると税額が両側に動く。基本通達11-2-12は、電気通信利用役務の提供が国内で行われたかどうかは、役務の提供を受けた者が法人である場合には当該法人の本店又は主たる事務所の所在地が国内にあるかどうかで判定するとし、内国法人の国外事業所等において受けた提供であっても原則として国内において行った課税仕入れに該当することに留意するとしている。海外拠点が契約して海外拠点が使っているクラウドでも、契約主体が日本法人なら国内取引になりうる。

帳簿だけで通す特例には、要件が二つある

インボイス制度の下では、原則として適格請求書の保存がなければ仕入税額控除ができない。消費税法第30条第7項が、帳簿及び請求書等を保存しない場合に第1項を適用しないとしている。

例外が消費税法施行令第49条第1項第1号だが、この条文の読み方に注意が要る。「三万円未満」という金額基準は、令第49条には書かれていない。 公共交通機関については、同号イが施行令第70条の9第2項第1号を参照し、そこで一般旅客定期航路事業、一般乗合旅客自動車運送事業、第一種・第二種鉄道事業、軌道法の運輸事業として行う旅客の運送のうち税込価額が三万円未満のものと定められている。自動販売機については、同号ニが財務省令に飛び、消費税法施行規則第26条の6第1号が税込価額三万円未満のものとする。

そして金額基準がない類型もある。同号ロの、回収される入場券等。同号ハの、古物商・質屋・宅地建物取引業者・再生資源卸売業者等が適格請求書発行事業者以外から買い受けたもの。ただしハは棚卸資産(消耗品を除く)に限るという限定がついている。

さらに、令第49条第1項第1号の柱書に条件が置かれている。帳簿に、いずれの課税仕入れに該当する旨と、当該課税仕入れの相手方の住所又は所在地を記載している場合に限る(国税庁長官が指定する者に係るものを除く)。

この括弧書きが実務では大きい。「国税庁長官が指定する者」が令和5年国税庁告示第26号で、国税庁の質疑応答(インボイス制度に関するQ&A問110)によれば、住所又は所在地の記載が不要なのは、三万円未満の公共交通機関による旅客の運送、三万円未満の入場券等の回収特例、古物商・質屋・宅地建物取引業者等による一定の課税仕入れ、自動販売機・自動サービス機からの購入、郵便ポストに差し出した郵便・貨物サービス、そして従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費・宿泊費・日当・通勤手当である。三万円以上の入場券等には、住所の記載が要る。

一方で「該当する旨」の記載は、どの類型でも免除されない。 国税庁は記載例として、公共交通機関なら「3万円未満の鉄道料金」、自動販売機なら「自販機」「ATM」を挙げている。電車代を旅費交通費として金額だけ計上している会社は、特例の対象取引でありながら、帳簿の記載要件を満たしていない。免除されているのは住所であって、旨ではない。 ここを取り違えたまま「うちは公共交通機関特例だから大丈夫」としている会社が多い。

期限が切られている特例に、業務を乗せない

もう一つ、設計上の注意がある。少額特例だ。

税込一万円未満の課税仕入れについて、適格請求書の保存がなくとも一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除ができる措置は、平成28年改正法附則第53条の2および平成30年改正令附則第24条の2を根拠とする。対象は、基準期間における課税売上高が1億円以下、または特定期間における課税売上高が5千万円以下の事業者である。基本通達21-1-6は、一万円未満かどうかを一回の取引の課税仕入れに係る税込みの金額で判定するとし、一の商品ごとの金額によるものではないとしている。

問題は期間だ。この措置の適用対象期間は令和5年10月1日から令和11年9月30日までである。課税期間の途中であっても、令和11年10月1日以後に行う課税仕入れは対象にならない。

終わる日が決まっている特例の上に、業務フローを固定してはいけない。 少額特例に依存して請求書の回収体制を作っていない会社は、その日に一斉に破綻する。今から、一万円未満の取引についても適格請求書を回収する経路を並行して作っておく。

なお、社内の手順書が古い会社は、根拠条文の側でも足元が崩れている。非課税取引を定める別表は、令和5年10月1日から別表第一ではなく別表第二になった。空いた別表第一には軽減税率の対象(飲食料品・新聞)が入り、輸入の非課税は別表第二の二に移っている。住宅の貸付けは別表第二第十三号である。手順書に「別表第一第十三号」と書いてある会社は、その手順書がいつ更新されたかを確認したほうがいい。

期中に直せば、加算税はゼロになる

最後に、検出を期中に動かすことの金銭的な効果を確認しておく。

国税通則法第65条第1項は、修正申告書の提出または更正があったときに、納付すべき税額に百分の十の割合(更正があるべきことを予知してされたものでないときは百分の五)を乗じた過少申告加算税を課すとする。第2項は、その税額が期限内申告税額に相当する金額と五十万円とのいずれか多い金額を超えるとき、超える部分に百分の五を加算するとする。

そして第6項が効く。更正を予知してされたものでない修正申告が、調査通知がある前に行われたものであるときは、第1項の規定は適用しない。

直すタイミング過少申告加算税
調査通知の前に自主的に修正申告かからない(通則法65条6項)
調査通知の後、更正を予知する前5パーセント(超過部分はさらに5パーセント加算)
更正を予知した後10パーセント(超過部分はさらに5パーセント加算)

更正の請求は、国税通則法第23条第1項により法定申告期限から五年以内である。税務署側の更正・決定は、同法第70条第1項により法定申告期限等から五年を経過した日以後はできない。期中に見つけて直す運用は、加算税を避けるだけでなく、五年分をまとめて指摘される事態も避ける。

一年に一度、申告直前に120件を直している会社は、その120件と同じ性質の誤りを過去数年ぶん抱えている。指摘が来たとき、遡って直す範囲は一期では終わらない。

現場では
医療機関向けの機器レンタルと保守を行う従業員280名の会社が、毎期の申告直前に平均140件の課税区分修正を出していた。課税売上割合は91パーセント前後で、非課税売上の中身は社宅の家賃収入と、保有していた土地の一部貸付けである。個別対応方式を採っていたが、用途区分は事実上「課のみ」と「共通」の二区分で運用され、非のみ対応はほぼ使われていなかった。転機は税務調査だった。調査官が求めたのは共通対応に集計された勘定の内訳で、そこに社宅の修繕費、社宅管理会社への委託料、土地の測量費が入っていた。いずれも非課税売上にのみ対応するもので、共通に入れた分だけ控除が過大になっていた。指摘は3期分に及び、修正申告と過少申告加算税を納めている。翌期、経理部長が入れた変更は四つだった。第一に、誤りの類型を一覧にした。過去3期の修正リストを類型別に集計すると、上位10類型で修正件数の82パーセントを占めていた。会費、社宅関連、駐車場、海外のソフトウェア利用料、出張旅費、損害賠償金、補助金、外注費、印紙、商品券である。第二に、この10類型に該当する取引先と勘定科目について、会計システムの側で選べる税区分を絞った。社宅管理会社の取引先マスタでは、課税仕入れを選べなくした。第三に、月次の締めに「サンプル抽出」の工程を足した。10類型から各2件、合計20件を抽出し、請求書と契約書まで遡って根拠を確認する。担当は経理課の二人が交代で持ち、所要は月あたり3時間だった。第四に、決算の作業表に「用途区分の確定」を独立した工程として置き、期末日から10営業日以内に完了させることにした。通達11-2-20の期限が課税期間の末日であることを、作業表の欄外に書いた。一年後、申告直前の修正は140件から17件に減った。減った理由の内訳が興味深い。システムで税区分を絞ったことによる削減が約6割、月次サンプル抽出での早期発見が約3割で、担当者の知識向上によるものはほとんど区別がつかなかった。経理部長の言葉が残っている。消費税に強くなったのではなく、間違えられない形にしただけだ、と。そして、月次で見つけた誤りはすべて当期中に処理されたので、加算税は一円も発生していない。

三つ決める

課税区分の誤りを期中で潰すために決めることは、三つに絞られる。

第一に、自社で間違う類型の一覧を作る。作り方は簡単で、過去三期の修正リストを類型別に集計するだけだ。上位十類型で全体の八割前後を占めるのが普通である。 消費税全般を勉強するのではなく、その十個だけを組織の言葉にする。

第二に、その十類型について、入力時に誤った税区分を選べないようにする。取引先マスタ、勘定科目マスタ、支払依頼のフォーム。判定を入力者の知識に委ねている限り、担当者が代わるたびに元へ戻る。教育ではなく設定で解く。

第三に、月次にサンプル抽出の工程を置き、決算作業表に用途区分の確定を独立した工程として立てる。判定の期限は消費税法基本通達11-2-20が定める課税期間の末日であり、申告作業ではない。そして国税通則法第65条第6項により、調査通知の前に自主的に修正すれば過少申告加算税はかからない。

検出を一か月前倒しするだけで、税額も、決算の混乱も、調査での説明の質も変わる。 申告作業を検出工程として使い続けている限り、来期も同じリストが届く(申告と決算をつなぐ)。

まとめ
課税区分の誤りが申告作業で出てくる時点で、制度上は遅い。消費税法基本通達11-2-20は、個別対応方式における課税仕入れ等の区分を課税仕入れを行った日又は課税貨物を引き取った日の状況により行うとし、その日に区分が明らかでない場合でも、その日の属する課税期間の末日までに区分が明らかにされたときはその区分によって消費税法第30条第2項第1号を適用して差し支えないとする。判定の期限は課税期間の末日であり、申告作業は制度が想定した検出工程ではない。実務で広く行われている簡便処理も塞がれている。同11-2-18は、個別対応方式では個々の課税仕入れ等を必ず三区分に分けなければならないとし、課税資産の譲渡等にのみ要するものを抽出してそれ以外を全て共通に区分することは認められないと明記する。共通に非のみ対応の費用が混じれば控除は過大になり、安全側どころか増額更正の対象になる。第30条第2項の適用は、課税期間における課税売上高が五億円を超えるとき、または課税売上割合が百分の九十五に満たないときに生じ、同条第5項により一括比例配分方式を選ぶと二年を経過する日までの間に開始する各課税期間で継続適用した後でなければ個別対応方式に戻れない。誤りの原因は知識ではなく工程の配置にある。判定に必要な情報は請求書にも摘要欄にもなく、入力者は取引の性質を知らない。したがって取引先マスタ・勘定科目マスタ・支払依頼フォームの側で選べる税区分を絞り、誤りが集まる十前後の類型だけを別ルートへ流し、月次で類型ごとにサンプル抽出し、決算作業表に用途区分の確定工程を置く。誤りが集まる類型と根拠は既に整理されている。同業者団体の会費は、団体側が対価に該当しないとしているときに支払側も課税仕入れに該当しない(基本通達5-5-3、11-2-4)ため、団体からの通知の保管が根拠になる。補助金・助成金の受入れは不課税だが(同5-2-15)、補助金で買った資産の課税仕入れは金銭の源泉を問わず控除できる(同11-2-8)。損害賠償金は原則不課税だが、無体財産権の侵害、不動産等の明渡し遅滞、使用できる棚卸資産の引渡しを伴うものは課税(同5-2-5)。駐車場は、地面の整備やフェンス・区画・建物の設置等をしていないときは土地の貸付けに含まれ非課税になる(施行令第8条、同6-1-5注1)。一月未満の土地の貸付けは課税。社宅は別表第二第十三号の住宅の貸付けとして非課税。給与か外注費かは、雇用契約またはこれに準ずる契約に基づくかで判定し、明らかでないときは代替性・指揮監督・危険負担・用具の供与を総合勘案する(法第2条第1項第12号、同1-1-1)。海外のクラウドは事業者向け電気通信利用役務の提供に当たればリバースチャージとなり、内外判定は役務の提供を受ける者の本店所在地による(法第2条第1項第8号の3・第8号の4、第4条第3項第3号、第5条第1項)。同11-2-12は、内国法人の国外事業所等で受けた提供であっても原則として国内の課税仕入れに該当するとする。出張旅費と通勤手当は、通常必要と認められる範囲について帳簿のみの保存で控除できる(施行規則第15条の4第2号・第3号、同11-6-4・11-6-5)。帳簿のみ保存の特例には二つの要件がある。金額基準は消費税法施行令第49条ではなく、公共交通機関は同令第70条の9第2項第1号の税込三万円未満、自動販売機は消費税法施行規則第26条の6第1号の税込三万円未満に定められており、回収される入場券等や古物商・質屋・宅地建物取引業者・再生資源卸売業者等が適格請求書発行事業者以外から買い受けたもの(棚卸資産に限り消耗品を除く)には金額基準がない。そして令第49条第1項第1号の柱書が、帳簿に該当する旨と相手方の住所又は所在地の記載を求めている。このうち住所又は所在地については、令和5年国税庁告示第26号により、三万円未満の公共交通機関、三万円未満の入場券等、自動販売機、郵便ポストに差し出した郵便、従業員に支給する出張旅費・通勤手当などで記載が不要とされるが、「該当する旨」の記載はどの類型でも免除されず、ここが落ちていると特例の要件を満たさない。少額特例は平成28年改正法附則第53条の2および平成30年改正令附則第24条の2を根拠とし、基準期間の課税売上高1億円以下または特定期間5千万円以下の事業者が、税込一万円未満の課税仕入れについて帳簿のみで控除できるが、適用対象期間は令和5年10月1日から令和11年9月30日までで、課税期間の途中でも令和11年10月1日以後の課税仕入れは対象外になる。終期の決まった特例に業務フローを固定してはならない。あわせて、非課税取引の別表は令和5年10月1日から別表第一ではなく別表第二であり、軽減税率が別表第一、輸入の非課税が別表第二の二である。手順書の条文参照が古いままの会社は、その手順書自体を疑う。検出位置は金額にも直結する。国税通則法第65条第1項は過少申告加算税を百分の十(更正を予知しないときは百分の五)とし、第2項は期限内申告税額と五十万円のいずれか多い金額を超える部分に百分の五を加算するが、第6項は、更正を予知しない修正申告が調査通知の前に行われたときは第1項を適用しないとする。期中の自主修正はゼロ、調査通知後は五パーセント、更正予知後は十パーセントである。更正の請求は同法第23条第1項により法定申告期限から五年以内、税務署側の更正・決定は同法第70条第1項により五年を経過した日以後はできない。決めることは三つ、過去三期の修正リストから自社の誤り類型の一覧を作ること、その類型について入力時に誤った税区分を選べないようにすること、月次のサンプル抽出と決算作業表への用途区分確定工程の追加である。

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