
原価企画の実務|製造原価の大半が決まる設計段階に財務が入る
設計段階の原価は原価計算基準の外にある。基準二は特殊原価調査を制度の範囲外と明記しており、月次の仕組みからは出てこない。だから原価企画は改善活動でなく、目標原価の合意と未達時の判断を開発ゲートの決議事項に置く設計問題になる。

設計段階の原価は原価計算基準の外にある。基準二は特殊原価調査を制度の範囲外と明記しており、月次の仕組みからは出てこない。だから原価企画は改善活動でなく、目標原価の合意と未達時の判断を開発ゲートの決議事項に置く設計問題になる。

元帳を増やすべきなのは、その評価で独立した財務諸表を外に出す場合だけだ。日本の税務償却は損金経理を入力とし、申告は確定した決算に基づくため、税務簿価は会計に従属する。だから税務は元帳でなく減価償却領域と申告調整で持つ。決め手は器の数でなく、取得時にどの属性を取っているかにある。

改訂コーポレートガバナンス・コードで、政策保有株主の売却を妨げてはならないという規律が原則本体に上がった。自社が順番を決めなければ相手が決める。売却益は純資産を増やさないため、使途を先に資本配分方針へ紐づけないと一過性の益で本業の弱さが隠れる。

適用指針第26号第11項の手順は、一時差異の一覧があるところから始まっている。しかも第3項(5)により、スケジューリング可能かどうかは期末時点の事実と意思決定の有無で決まる。決算後に作れない情報がある以上、差異は伝票の時点で拾い、月次で更新するしかない。

標準原価の年1回改訂は慣行であって制度の要請ではない。原価計算基準四二のトリガーは事象であり、材料価格や賃率に重大な変化が生じたときは期中でも改訂する。ただし動かすのは価格標準だけ。物量標準を期中に動かすと、差異が能率を測れなくなる。

減損の結論はグルーピングの粒度で決まる。ただし粒度は期末に決めるものではない。適用指針は継続的に収支把握がなされている単位を基礎とし、一時的に設定した単位を除き、当期の方法を翌期以降も同様に行うとする。管理会計の損益単位を決めた時点で、減損の単位は事実上決まっている。

「経理は融通が利かない」の正体は態度ではなく、受付経路と期限の不在にある。人は拒否より不確実性に怒る。依頼を定型・作業・判断の三つに分け、一次応答は1営業日、断る理由は四つだけと決めて文面まで用意する。片務のSLAは守られない。

監査報酬の増額に「高い」で返しても材料にならない。会社法399条により報酬は監査役等の同意事項で、同意理由は事業報告に載る。書けるのは工数と単価の説明だけだ。増額を単価要因と工数要因に割り、工数を制度起因と自社起因に分けたうえで交渉に入る。

社内レートは会計換算用と予算用の二本立てで考える。会計側は基準と通達で直近の一定期間の相場に縛られ、期初固定の年間レートは使えない。自由なのは予算レートだけで、その選択は為替差を現地と本社のどちらに背負わせるかの決定にほかならない。

三つの区別は定義の暗記でなく、実務帰結から逆引きする。会計方針の変更と表示方法の変更には実務上不可能な場合の定めがあるが、過去の誤謬にはない。判定が誤謬側に落ちた瞬間、算定できないという出口は制度上なくなる。減価償却方法の変更が例外になる理由もここから説明できる。